2008ニュー・イヤー・コンサート
プログラム
レオンカヴァッロ(1857-1919)
Ruggiero Leoncavallo
歌劇「道化師」から、「ごめんなさって! 紳士淑女の皆様!」(バリトン)
“Si puo Signore! Signori!”(“Pagliacci”)
前奏曲に続いて、トニオが歌う前口上。
舞台の上では仮面を付けて面白おかしく芝居を演じているが、道化役者もまた血も涙もある人の子、その人間としての苦しみや悲しみこそ真実のドラマであることをお汲みとりください、と歌う。
ヘンデル(1685-1759)
Georg Friedrich Handel
歌劇「セルセ(またはクセルクセス)」から、「オンブラ・マイ・フ(樹木の陰で)」(ソプラノ)
“Ombra mai fu”(“Serse”または“Xerxes”)
ペルシャ王セルセ(クセルクセス1世)によって歌われる。
詩は、木陰への愛を歌ったもの。
「こんな木陰は、今まで決してなかった。緑の木陰。
親しく、そして愛らしい・・・」
ジョルダーニ(1753-1798)
Giuseppe Giordani
「愛しいひとよ」(バリトン)
“Caro mio ben”
イタリア古典歌曲の代表作。
「愛しいひとよ、せめて私を信じて欲しい。
貴女がいないと、私はいつもため息をついている・・・・」
と、彼女への愛に翻弄される気持ちを歌う。
ティリンデッリ(1858-1937)
Pier Adorfo Tirindelli
「けがれない」(バリトン)
“Mistica”
教会にいつも祈りを捧げにくる女性を題材とした曲。
ヘンデル(1685-1759)
Georg Friedrich Handel
歌劇「リナルド」から、「私を泣かせてください」(ソプラノ)
“Lascia ch’io pianga”(“Rinaldo”)
エルサレム側の魔法使いの囚われの身となったアルミレーナは、敵軍の王アルガンテに求愛されたが、愛するリナルドへの貞節を守り「過酷な運命に涙を流しましょう」と歌う。
ヴェルディ(1813-1901)
Giuseppe Verdi
歌劇「ラ・トラヴィアータ(椿姫)」から、「プロヴァンスの海と陸」(バリトン)
“di provenza il mar”(“La Traviata”)
アレクサンドル・デュマ・フィスの小説「椿姫」に基づくオペラ。
ヴェルディの代表作で、世界のオペラ・ハウスで最も上演回数の多い作品のひとつ。ヒロイン、ヴィオレッタ・ヴァレリーの純愛と悲劇の物語。
青年貴族アルフレード・ジェルモンとの愛、二人を引き裂くアルフレードの父ジョルジョ・ジェルモン、そしてヴィオレッタの死。
オペラの原題「ラ・トラヴィアータ」の意味は、「道を誤った女」。
ヴェルディ(1813-1901)
Giuseppe Verdi
歌劇「ラ・トラヴィアータ(椿姫)」から、「ヴァレリー嬢ですか?」(ソプラノ+バリトン)
“Madamigella Valery?”(“La Traviata”)
青年貴族アルフレードの父ジョルジョ・ジェルモンが、息子と別れてほしい、とヴィオレッタを説得しようとする場面。
休憩(20分)
プッチーニ(1858-1924)
Giacomo Puccini
歌劇「ラ・ボエーム」から、「私が街を歩いて行けば」(ソプラノ)
“Quando me’n vo”(“La Boheme”)
「ラ・ボエーム」は、詩人ロドルフォと貧しいお針娘ミミの恋愛を軸に、パリのカルチェ・ラタンに住むボヘミアンたちの情景を描いた作品。
ミミの死で終わる。「私が街を歩いて行けば」は、第2幕、クリスマス・イヴの夜、賑わうパリの街中でミミの友達ムゼッタが歌うコケティッシュなアリア。
「私が街を歩くと、みんな立ち止まって私を見る・・・私の美しさを、みんな見つめるの、頭から足の先まで。そして私は熱い眼差しを味わうの・・・」
ヴェルディ(1813-1901)
Giuseppe Verdi
歌劇「仮面舞踏会」から、「私の魂を汚すもの」(バリトン)
“Eri tu che macchiavi quell’anima”(“Un Ballo in Maschera”)
「仮面舞踏会」は、その充実した音楽によってヴェルディ中期の代表作とされる。アメリカ・ボストンの総督リッカルドを主人公とし、その民衆に対する愛、リッカルドに対する反逆者の敵意、そしてリッカルドとアメリア(リッカルドの秘書レナートの妻)との愛を描く。
終幕、リッカルドはレナートに刺殺される。
グノー(1818-1893)
Charles F. Gounod
「アヴェ・マリア」(ソプラノ)
“Ave Maria”
バッハ「平均律クラヴィーア曲集」第1巻第1曲の前奏曲ハ長調を伴奏にした極めて美しい曲。
多くの作曲家が「アヴェ・マリア」を書いているが、なかでもこの「グノーのアヴェ・マリア」は最も有名な作品。
クルティス(1875-1937)
Ernesto de Curtis
「忘れな草」(バリトン)
“Non ti scordar di me”
「燕は去って行った。寒い国から、太陽の溢れる菫咲く春と、愛の巣を探して。
僕のかわいい燕も行ってしまう。キスもなく、さよならもなく。
僕のことを忘れないで。君が僕の全てだから・・・」。燕を題材にしているが、自分から去って行った女性への愛の歌でもある。
プッチーニ(1858-1924)
Giacomo Puccini
歌劇「ジャンニ・スキッキ」から、「私のお父さん」(ソプラノ)
“O mio babbino caro”(“Gianni Schicchi”)
中年男ジャンニ・スキッキが、大富豪の遺産を巡る親戚間の騒動と、若い男女の恋を見事に解決するさまを描いた喜劇。「私のお父さん」は、ジャンニ・スキッキの愛娘ラウレッタが歌うアリア。「お父さん、もしリヌッチョと結婚できないのなら、私、ポンテ・ヴェッキオからアルノ川に身投げしちゃうから・・・」と訴える。
ロッシーニ(1792-1868)
Gioacchino Rossini
歌劇「セヴィリアの理髪師」から、「私は町の何でも屋」(バリトン)
“La ran la lera...Largo al factotum”(“Il Barbiere di Siviglia”)
第1幕第1場、主人公の床屋フィガロが楽しく登場する場面のアリア。
「俺は町の人気者。俺がいなければセヴィリアの町は夜も日もあけないんだ」と早口で歌う。なお、モーツァルトの「フィガロの結婚」は、この「セヴィリアの理髪師」の続編。
レハール(1870-1948)
Franz Lehar
喜歌劇「メリー・ウィドウ」から、「唇は語らずとも」(ソプラノ+バリトン)
“Lippen schweigen”(“Die lustige Witwe”)
終幕、裕福な未亡人ハンナと大使館の一等書記官ダニロが歌う二重唱。優美な旋律に乗って歌われる。
「唇は黙し、ヴァイオリンは囁く。私を愛して、と。・・・唇は何も言わないけれど、私はあなたを愛していますと、とひびく」。
いわゆる「メリー・ウィドウ・ワルツ」としても知られる。