2024.11.23 Sat
関市
田中香織+ジェモー弦楽四重奏団

田中香織+ジェモー弦楽四重奏団

プログラム

メンデルスゾーン(1809-1847) Felix Mendelssohn Bartholdy

弦楽四重奏のための4つの小品作品81 Four Pieces for String Quartet op.81

1. 主題と変奏:アンダンテ・ソステヌート Tema con variazioni:Andante sostenuto
2. スケルツォ:アレグロ・レジェッロ Scherzo:Allegro leggiero
3. カプリッチョ Capriccio
4. フーガ Fugue *この曲は、本日は演奏されません。

ドイツ・ロマン派の作曲家・指揮者。代表作は、交響曲第3番「スコットランド」、交響曲第4番「イタリア」、序曲「フィンガルの洞窟」、ヴァイオリン協奏曲ホ短調、劇音楽「真夏の夜の夢」(有名な「結婚行進曲」はこのなかの1曲)、弦楽八重奏曲、無言歌集(全48曲)など。
1829年、バッハの「マタイ受難曲」を蘇演、それはヨーロッパにおけるバッハ復興のきっかけとなった大事件であった。
(ジェモー弦楽四重奏団)

モーツァルト(1756-1791) Wolfgang Amadeus Mozart

クラリネット五重奏曲イ長調 K.581 Klarinettequintett A-Dur K.581

第1楽章 アレグロ Allegro
第2楽章 ラルゲット Larghetto
第3楽章 メヌエット Menuetto
第4楽章 アレグレット・コン・ヴァリアツィオーニ Allegretto con variazioni

モーツァルト最晩年の1789年に作曲された。高音域から低音域まで幅広い音域をもつクラリネット。
その豊かな表現力が、洗練された旋律と端正な音楽形式のなかにしなやかに息づいている。
同じモーツァルトのクラリネット協奏曲イ長調K.622とともに、クラリネットのための作品として古今最高傑作の一つ。
モーツァルトは、クラリネットに強い関心を示し、交響曲・オペラをはじめ、様々な作品で頻繁に用いている。
当時、ウィーンで活躍していたクラリネットの名手アントン・シュタットラーとの親交に触発されてのことで、この作品についても手紙で「シュタットラー五重奏曲」と親しみを込めて呼んでいる。

(休憩20分)

ブラームス(1833-1897) Johannes Brahms

クラリネット五重奏曲 ロ短調 作品115 Klarinettequintett h-Moll op.115

第1楽章 アレグロ Allegro
第2楽章 アダージョ Adagio
第3楽章 アンダンティーノ – プレスト・ノン・アッサイ・マ・コン・センティメント
Andantino – Presto non assai, ma con sentimento
第4楽章 コン・モート Con moto

ブラームスは、晩年、名クラリネット奏者リヒャルト・ミュールフェルトの演奏に触発されて、一時は衰えた創作意欲を再び取り戻し、クラリネット三重奏曲op.114(1891年)、クラリネット五重奏曲op.115(1894年)、クラリネット・ソナタop.120(第1番ヘ短調・第2番変ホ長調の2曲、1894年)と、立て続けにクラリネットのための傑作を生み出した。
なかでもクラリネット五重奏曲は、最もブラームスらしいあたたかい抒情をたたえた名作であり、モーツァルトのクラリネット五重奏曲と並ぶ二大傑作とされている。

プロフィール

田中香織
クラリネット

北九州市出身。国立音楽大学を卒業後、バーゼル市立音楽院音楽大学に留学、国家演奏家資格および国家ソリスト資格を最優秀の成績で取得。クラリネットを武田忠善、磯部周平、フランソワ・ベンダの各氏に、室内楽を生島繁、セルジオ・アッツォリーニ、フェリックス・レングリの各氏に師事。
2005年、第3回カール・ニールセン国際音楽コンクール特別賞受賞。2006年、トリノ国際クラリネット・コンクール2位入賞。2008年、バーゼル・オーケストラ連盟コンテスト最優秀賞受賞。2009年、第78回日本音楽コンクール1位受賞。
ソロ・リサイタルのほか、バーゼル室内管弦楽団、東京交響楽団、九州交響楽団などと共演し、日本およびスイス、ドイツ、フランス、デンマーク、イタリアなどヨーロッパ各国で活動。2008年、世界的なオーボエ奏者ハインツ・ホリガーの監督のもと、エリオット・カーター作曲のクラリネット協奏曲をバーゼル交響楽団と共演、好評を得る。2009年、ルドルフ・モーザー記念演奏会でファゴット奏者ディエゴ・ケンナ等と共演、レコーディングに参加。2009年より、カメラータ・ベルンのメンバー。バーゼル市立音楽院音楽大学講師。Ensemble 78メンバー。

ジェモー弦楽四重奏団

バーゼルに拠点を置くジェモー弦楽四重奏団は、力強さと深い音楽性、聴衆の心をつかむ若さあふれる音楽づくりにより、次世代のアンサンブルとして注目を集めている。
4人のメンバーは、バーゼル音楽院でワルター・レヴィン(元ラサール弦楽四重奏団)およびセバスチャン・ハーマン(ルツェルン音楽院教授、元アマティ弦楽四重奏団)から4年間薫陶を受け、2003年に「ジェモー弦楽四重奏団」を結成。以後、大学院で弦楽四重奏を学び、ザルツブルク・モーツァルテウム音楽大学で2年間、ハーゲン弦楽四重奏団に師事した。
2007年、ミグロス・カルチャー・パーセンテージ(チューリッヒ)室内楽部門第1位、ルツェルン市モーツァルト賞、バーゼル・オーケストラ連盟コンテスト第1位。2008年、ミュンヘン国際音楽コンクール第3位および聴衆賞を受賞。2010年、ピエール=ドミニク・ポネルの弦楽四重奏曲第1番・第2番および弦楽三重奏曲を収録したCDをリリース(レーベル:GENUIN)。2010/2011シーズンは、チューリッヒ・トーンハレ、ベルリン・フィルハーモニーなどでコンサートが予定されている。