ヴァイオリン・コンサート
プログラム
- ブラームス(1833-1897)
Johannes Brahms
スケルツォ ハ短調(「F.A.E.ソナタ」より)
Scherzo c-Moll zur F.A.E.-Sonate für Violine und Klavierブラームス、20歳の作品。ヴァイオリニストのヨーゼフ・ヨアヒムがシューマンの家に来るというので、シューマンが第2楽章と第4楽章を、シューマンの門下生アルバート・ディートリヒが第1楽章を、ブラームスが第3楽章スケルツォをそれぞれ作曲した。このソナタが「F.A.E.ソナタ」と呼ばれるもので、ヨアヒムのモットーである「自由に、しかし孤独に」というドイツ語“Frei aber einsam”の各語の頭文字(F-A-E)を音名にした動機(ヘ-イ-ホ)によって全曲が統一されている。
- ブラームス(1833-1897)
Johannes Brahms
ヴァイオリン・ソナタ第3番 ニ短調 作品108
Sonate für Violine und Klavier Nr.3 d-Moll op.108
第1楽章 アレグロ Allegro
第2楽章 アダージョ Adagio
第3楽章 ウン・ポコ・プレスト・エ・コン・センティメント Un poco presto e con sentimento
第4楽章 プレスト・アジタート Presto agitatoブラームス、50歳代半ばの作品。ロマンティシズムと情熱にあふれた名曲。先に演奏されたスケルツォからは時がたち、深い諦観や渋い叙情性をだし、対位法と複リズムが相俟って重厚な音楽となっている。
休憩20分
- エマヌエル・バッハ(1714-1788)
Carl Philipp Emanuel Bach
「春のめざめ」
Frülings Erwachenエマヌエル・バッハは大バッハの次男で、「ベルリンのバッハ」、「ハンブルグのバッハ」などと呼ばれる。前古典派音楽における協奏曲、ソナタの様式の確立に重要な役割を果たした。
- ベートーヴェン(1770-1827)
Ludwig van Beethoven
ロマンス第2番 ヘ長調 作品50
Romanze Nr.2 F-dur op.50美しいメロディを持ち、たいへん親しまれている。本来はオーケストラ伴奏。この曲の作曲により、ベートーヴェンはヴァイオリンという楽器の可能性を研究し、数年後のヴァイオリン協奏曲の作曲につなげた。
- ブルッフ(1838-1920)
Max Bruch
アダージョ・アパッショナータ 作品57
Adagio appassionato op.57ブルッフは、ヴァイオリン協奏曲第1番、スコットランド幻想曲(やはりヴァイオリン協奏曲)で有名な作曲家。このアダージョ・アパッショナータもオーケストラ伴奏を持ち、どれかの協奏曲(他に2曲あり)の楽章にするつもりだったのか、いずれにしても協奏曲と何らかのかかわりを持って生まれたとされている。
- ブロッホ(1880-1957)
Ernest Bloch
「喜び」(「バール・シェム」より)
Baal Shêm - 3 pictures of Chassidic life (3 Simchat Torah)ユダヤ人として、民族主義を強調した作曲家。スイス、アメリカに住んだ。バール・シェム(ロシア生まれ、1700頃-1760)は、伝統的なユダヤ教に反対し、神への祈りと十戒へのひたすらな忠誠によってのみ神に近づきうると説いた神秘主義者の名。