2024.11.23 Sat
関市
若林亜由

ヴァイオリン・コンサート

プログラム

  1. ブラームス(1833-1897)
    Johannes Brahms
    スケルツォ ハ短調(「F.A.E.ソナタ」より)
    Scherzo c-Moll zur F.A.E.-Sonate für Violine und Klavier

    ブラームス、20歳の作品。ヴァイオリニストのヨーゼフ・ヨアヒムがシューマンの家に来るというので、シューマンが第2楽章と第4楽章を、シューマンの門下生アルバート・ディートリヒが第1楽章を、ブラームスが第3楽章スケルツォをそれぞれ作曲した。このソナタが「F.A.E.ソナタ」と呼ばれるもので、ヨアヒムのモットーである「自由に、しかし孤独に」というドイツ語“Frei aber einsam”の各語の頭文字(F-A-E)を音名にした動機(ヘ-イ-ホ)によって全曲が統一されている。

  2. ブラームス(1833-1897)
    Johannes Brahms
    ヴァイオリン・ソナタ第3番 ニ短調 作品108
    Sonate für Violine und Klavier Nr.3 d-Moll op.108
    第1楽章 アレグロ Allegro
    第2楽章 アダージョ Adagio
    第3楽章 ウン・ポコ・プレスト・エ・コン・センティメント Un poco presto e con sentimento
    第4楽章 プレスト・アジタート Presto agitato

    ブラームス、50歳代半ばの作品。ロマンティシズムと情熱にあふれた名曲。先に演奏されたスケルツォからは時がたち、深い諦観や渋い叙情性をだし、対位法と複リズムが相俟って重厚な音楽となっている。

休憩20分

  1. エマヌエル・バッハ(1714-1788)
    Carl Philipp Emanuel Bach
    「春のめざめ」
    Frülings Erwachen

    エマヌエル・バッハは大バッハの次男で、「ベルリンのバッハ」、「ハンブルグのバッハ」などと呼ばれる。前古典派音楽における協奏曲、ソナタの様式の確立に重要な役割を果たした。

  2. ベートーヴェン(1770-1827)
    Ludwig van Beethoven
    ロマンス第2番 ヘ長調 作品50
    Romanze Nr.2 F-dur op.50

    美しいメロディを持ち、たいへん親しまれている。本来はオーケストラ伴奏。この曲の作曲により、ベートーヴェンはヴァイオリンという楽器の可能性を研究し、数年後のヴァイオリン協奏曲の作曲につなげた。

  3. ブルッフ(1838-1920)
    Max Bruch
    アダージョ・アパッショナータ 作品57
    Adagio appassionato op.57

    ブルッフは、ヴァイオリン協奏曲第1番、スコットランド幻想曲(やはりヴァイオリン協奏曲)で有名な作曲家。このアダージョ・アパッショナータもオーケストラ伴奏を持ち、どれかの協奏曲(他に2曲あり)の楽章にするつもりだったのか、いずれにしても協奏曲と何らかのかかわりを持って生まれたとされている。

  4. ブロッホ(1880-1957)
    Ernest Bloch
    「喜び」(「バール・シェム」より)
    Baal Shêm - 3 pictures of Chassidic life (3 Simchat Torah)

    ユダヤ人として、民族主義を強調した作曲家。スイス、アメリカに住んだ。バール・シェム(ロシア生まれ、1700頃-1760)は、伝統的なユダヤ教に反対し、神への祈りと十戒へのひたすらな忠誠によってのみ神に近づきうると説いた神秘主義者の名。

プロフィール

若林亜由
ヴァイオリン

毎日学生音楽コンクール西日本大会高校生の部で第2位入賞。ウィーン国立音楽大学で5年間研鑽を積む。在学中ムジークフェラインブラームスザールで行われた日本大使館主催のコンサートで演奏。1995年まで10年間、毎年東京・名古屋でリサイタルを開催、高い評価を得る。名古屋フィルハーモニー交響楽団とはモーシェ・アツモン、外山雄三各氏のほか、多くの指揮者とさまざまな協奏曲・小品で共演。セントラル愛知、ブルガリア・トルブーヒン国立室内オーケストラとも共演。NHK-FM、テレビ、ラジオに出演。名古屋フィルには1985年より約20年在籍し、アシスタントコンサートマスターをつとめる。
日本演奏連盟新人賞、名古屋市文化振興事業団芸術創造賞、名古屋名駅ロータリークラブ椿賞を受賞。若林正伸、鷲見三郎、海野義雄、F. SAMOHYLの各氏に師事。

天野圭子
ピアノ

エリザベト音楽大学大学院修了。同大学定期演奏会、特別演奏会、卒業演奏会に出演。同大学院新人演奏会、山口県新人演奏会に出演。ピアノを高岡泰子、山城育子、広沢久美子、井上二葉、アンドレ・デ・グロートの各氏に、室内楽を武田忠善氏に師事。
1997年、スロヴァキア・レディス室内オーケストラと、2003年、アウロス・チェンバー・アンサンブルのメンバーと共演。また、アンドレ・デ・グロート、武田忠善の各氏と共演するなど、室内楽コンサートでも活躍。1997年より、札幌で行われる弦楽器のミュージックキャンプに伴奏アシスタントとして毎年参加。現在、エリザベト音楽大学付属音楽園講師。大阪在住。