2024.11.23 Sat
関市
池田昭子

オーボエ・コンサート

プログラム

  1. サン=サーンス(1835-1921)
    Charles Camille Saint-Saens
    オーボエとピアノのためのソナタ ニ長調 作品166
    Sonate pour Hautbois avec accompt de Piano,op.166
    第1楽章 アンダンティーノ Andantino
    第2楽章 アレグレット Allegretto
    第3楽章 モルト・アレグロ Molto allegro

    フランスの作曲家。オルガニスト・ピアニストとしても活躍。ほかに数学者・画家・詩人など、あらゆる才能をもった天才であった。
    1871年、フランス音楽普及のため、フランク、フォーレらとともにフランス国民音楽協会を設立した。ほとんど全ての分野の音楽を作曲したが、とくに交響曲第3番「オルガン付き」、組曲「動物の謝肉祭」、交響詩「死の舞踏」、「序奏とロンド・カプリチオーソ」、「ハバネラ」、歌劇「サムソンとデリラ」などが有名。
    このオーボエ・ソナタは、85年の長い人生の最後の年に作曲された。全曲を通し、フランスの田舎を思わせるのどかな雰囲気の、視界が開けた曲となっている。
    (オーボエ+ピアノ)

  2. サン=サーンス(1835-1921)
    Charles Camille Saint-Saens
    バスーンとピアノのためのソナタ ト長調 作品168
    Sonate pour Basson avec accompt de Piano,op.168
    第1楽章 アレグロ・モデラート Allegro moderato
    第2楽章 アレグロ・スケルツァンド Allegro scherzando
    第3楽章 モルト・アダージョ−アレグロ・モデラート Molto adagio-Allegro moderato

    オーボエ・ソナタ(作品166)そしてクラリネット・ソナタ(作品167)に続いて、サン=サーンスはこのバスーン(別名ファゴット)とピアノのためのソナタを残してこの世を去った。
    清らかなピアノのアルペジオに乗る甘美なバスーンの高音のフレーズは懐かしさを感じさせる。バスーンの魅力が余すところなく発揮される名曲。
    (ファゴット+ピアノ)

休憩20分

  1. ジョリヴェ(1905-1974)
    Andre Jolivet
    オーボエとバスーンのためのソナチネ
    Sonatine pour Hautbois et Basson
    第1楽章 序曲 Ouvertur
    第2楽章 レシタティーフ Recitatif
    第3楽章 オスティナート Ostinato

    フランスの作曲家、音楽教育者。画家の父とピアノ教師の母の間にパリで生まれた。
    さまざまな作曲技法を用いて、実験的で過激な前衛音楽からポピュラーなCM音楽まで幅広い分野で作曲。何度も作風を変えたことから、「音楽のジキルとハイド」と揶揄されることもある。オリヴィエ・メシアンとともにベルリオーズの回帰を目指す「若きフランス」を結成した。ピエール・ブーレーズとの不仲は有名。
    1963年に作曲されたこの作品は、絶妙な2つの楽器の絡み合いが緊張感を生み、またジャズ風のリズムが印象的である。
    (オーボエ+ファゴット)

  2. ゴーベール(1879-1941)
    Philippe Gaubert
    「田園風間奏曲」
    Intermede Champetre pour Hautbois et Piano

    戦間期のフランスの最も重要な音楽家のひとり。パリ・オペラ座の音楽監督、パリ音楽院のフルート科教授、パリ音楽院管弦楽団の首席指揮者などを務めた。
    作曲家としては主にフルートの作品を数多く残した。
    「田園風間奏曲」はパリ音楽院の試験の課題曲として作曲された。
    随所にドビュッシーやラヴェルの試みを取り入れたと思われるフレーズや和声がある。
    (オーボエ+ピアノ)

  3. プーランク(1899-1963)
    Francis Jean Marcel Poulenc
    ピアノ、オーボエ、バスーンのための三重奏曲
    Trio pour Piano,Hautbois et Basson
    第1楽章 プレスト−レント Presto-Lento
    第2楽章 アンダンテ Andante
    第3楽章 ロンド Rondo

    フランスの作曲家。エリック・サティらとともに、フランス6人組のひとり。24歳のとき、ロシア・バレエ団を主宰するセルゲイ・ディアギレフの委嘱でバレエ「牡鹿」を作曲し、1924年に初演された。脚本はジャン・コクトー、舞台と衣装はマリー・ローランサン、振付・主演はブロニスラヴァ・ニジンスカという極めて豪華な顔ぶれであった。作風はメロディに富み、軽快でユーモアのあることから「フランスのモーツァルト」とも呼ばれる。私生活では、両性愛者で、恋人の一人に「肉体の悪魔」で有名なレイモン・ラディゲがいたとされる。この三重奏曲は、プーランクらしい軽快なフレーズとメランコリックなメロディが次から次へと展開し、洒落た劇を見ているような楽器の対話が楽しい。
    (オーボエ+ファゴット+ピアノ)

プロフィール

池田昭子
オーボエ

1997年、東京藝術大学卒業。卒業時に皇居内桃華楽堂にて御前演奏を行う。広田智之、小島葉子、宮本文昭、フランソワ・ルルーの各氏に師事。第4回津山国際総合音楽祭ダブルリードコンクール第1位。第13回日本管打楽器コンクールオーボエ部門第1位。1997年から2002年まで東京交響楽団に在籍。2000年、文化庁在外研修員として、リヒャルト・シュトラウス音楽院(ミュンヘン)に留学。2004年、NHK交響楽団に入団。
現在、NHK交響楽団オーボエ奏者、『トリオ・サンクアンシュ』メンバー、東京藝術大学非常勤講師。

吉田將
ファゴット

1964年、東京生まれ。武蔵野音楽大学卒業後、1989年、国立ハノーファー音楽大学ソロクラスを卒業。岡崎耕治、クラウス・トゥーネマンの各氏に師事。1987年、B.S.O.ユンゲ・ドイチェ・フィルハーモニーに主席奏者として入団。第3回日本管打楽器コンクール第2位入賞。1989年、ベルギー王立フレミッシュ・オペラ首席奏者を経て、同年、読売日本交響楽団首席奏者に就任。読響のソリストとして数回出演。武蔵野音楽大学、日本大学芸術学部、洗足学園音楽大学、国立音楽大学、各講師。小澤征爾音楽塾講師。木曽福島音楽祭、宮崎国際室内楽音楽祭などにレギュラー出演。サイトウ・キネン・オーケストラで首席奏者として活躍中。

石田三和子
ピアノ

東京都出身。幼少の頃よりピアノ・作曲を学び、国内外で演奏活動を行う。ロストロポーヴィッチ指揮、ワシントン・ナショナル交響楽団をはじめ、多くのオーケストラや奏者と共演。国立音楽大学卒業、東京藝術大学別科修了。欧州の国際音楽アカデミーにおいても研鑽を積む。第3回多摩フレッシュ音楽コンクールピアノ部門入選。N響・都響・フィラデルフィア管など国内外のオーケストラ団員との共演も多く、アンサンブルピアニストとして活躍。辛島輝治、上田晴子、三木香代、E・アンドレアスの各氏に師事。