オーボエ・コンサート
プログラム
ニールセン(1865-1931) Carl August Nielsen
2つの幻想的小品 作品2 Fantasy Pieces for Oboe and Piano, op.2
1. ロマンス Romance 2. ユモレスク Humoresque
ニールセンはデンマークの作曲家。主要作品は、交響曲第4番「不滅」、ヴァイオリン協奏曲など。
「2つの幻想的小品」も人気のある作品で、とくに第1曲ロマンスは有名。作曲は1889年。
フォーレ(1845-1924) Gabriel Fauré
シシリエンヌ 作品78 Sicilienne, op.78
フランスの作曲家。「レクイエム」のほか、多くの歌曲・室内楽作品で親しまれている。
この作品は、本来はチェロとピアノのためのもので、作曲は1893年。後に、劇音楽「ペレアスとメリザンド」(1901年)に転用されている。
ペルゴレージ(1710-1736) Giovanni Battista Pergolesi
シチリアーノ Siciliano
今年生誕300年を迎えるイタリア・バロック後期の作曲家。「スターバト・マーテル(悲しみの聖母)」などの宗教曲に傑作を残している。
ビゼー(1838-1875) Georges Bizet
花の歌(歌劇「カルメン」より) La fleur que tu m’avais jetée (Opéra “Carmen”)
数多あるオペラのなかでも屈指の名作「カルメン」。衛兵の伍長ドン・ホセは、タバコ工場で働く奔放なジプシー女カルメンの虜となり、婚約者を捨て、軍隊を脱走する。しかし、カルメンは闘牛士エスカミーリョに心を移す。激しい嫉妬に囚われたドン・ホセは、ついにカルメンを刺し殺す。
「花の歌」はドン・ホセがカルメンへの切実な恋心を歌うアリア。
サン=サーンス(1835-1921) Camille Saint-Saëns
フランスの作曲家。オルガニスト・ピアニストとしても活躍。ほかに数学者・画家・詩人など、あらゆる才能をもった天才であった。
1871年、フランス音楽普及のため、フランク、フォーレらとともにフランス国民音楽協会を設立した。交響曲第3番「オルガン付き」、組曲「動物の謝肉祭」、交響詩「死の舞踏」、「序奏とロンド・カプリチオーソ」、「ハバネラ」、歌劇「サムソンとデリラ」などが有名。
アヴェ・マリア Ave Maria
原曲は独唱とオルガンのためのもの。
白鳥(組曲「動物の謝肉祭」より) Le cygne(“Le carnaval des animaux”)
全14曲からなる組曲「動物の謝肉祭」のなかの1曲。原曲は独奏チェロのためのもの。バレエ「瀕死の白鳥」はミハイル・フォーキンがこの曲に振り付けをした。
休憩(20分)
グリンカ(1804-1857) / 編曲:ジュリアン・ユー(1957-) Mikhail Ivanovich Glinka / Julian Yu
ナイチンゲール(A.アリャビエフのロマンスによる変奏曲、 オーボエとピアノのための) Nightingale
グリンカは、最初に国外で名声を勝ち得たロシアの作曲家。
近代ロシア音楽の父と呼ばれる。歌劇「ルスランとリュドミラ」(原作はロシア最大の詩人プーシキン)はとくに有名。
ジュリアン・ユーは、中国の現代音楽作曲家。池辺晋一郎・湯浅譲二などに師事した。
「ナイチンゲール」は、ロシアの作曲家アレクサンドル・アリャビエフ(1787-1851)が作曲した歌曲の旋律をもとに、グリンカが変奏曲を作曲。
これをさらにジュリアン・ユーが編曲したもの。
ドビュッシー(1862-1918) Claude Achille Debussy
月の光(「ベルガマスク組曲」より) Clair de Lune (“Suite Bergamasque”)
(ピアノ・ソロ:石田三和子)
フランスの作曲家。長音階・短音階以外の旋法の使用、機能和声にとらわれない自由な和声法などにより、古典派・ロマン派音楽から20世紀の音楽への橋渡しを行った、音楽史上特筆すべき重要な作曲家。
代表作品は、「牧神の午後への前奏曲」、交響詩「海」、歌劇「ペレアスとメリザンド」、ヴァイオリン・ソナタ、弦楽四重奏曲、「前奏曲集」第1巻・第2巻など。
シューマン(1810-1856) Robert Schumann
アダージョとアレグロ 作品70 Adagio und Allegro, op.70
シューマンの室内楽作品のなかでも傑作の一つ。作曲は1849年。
原曲はホルンとピアノのためのものであるが、現在ではオーボエでも定番の演目となっている。
夢幻的ななかにも、オーボエとピアノが音楽的な主導権を奪い合いながら、濃密な対話を重ねていく充実の作品。