2024.12.04 Wed
関市
池田昭子

オーボエ・コンサート

プログラム

ニールセン(1865-1931) Carl August Nielsen

2つの幻想的小品 作品2 Fantasy Pieces for Oboe and Piano, op.2

1. ロマンス Romance 2. ユモレスク Humoresque

ニールセンはデンマークの作曲家。主要作品は、交響曲第4番「不滅」、ヴァイオリン協奏曲など。
「2つの幻想的小品」も人気のある作品で、とくに第1曲ロマンスは有名。作曲は1889年。

フォーレ(1845-1924) Gabriel Fauré

シシリエンヌ 作品78 Sicilienne, op.78

フランスの作曲家。「レクイエム」のほか、多くの歌曲・室内楽作品で親しまれている。
この作品は、本来はチェロとピアノのためのもので、作曲は1893年。後に、劇音楽「ペレアスとメリザンド」(1901年)に転用されている。

ペルゴレージ(1710-1736) Giovanni Battista Pergolesi

シチリアーノ Siciliano

今年生誕300年を迎えるイタリア・バロック後期の作曲家。「スターバト・マーテル(悲しみの聖母)」などの宗教曲に傑作を残している。

ビゼー(1838-1875) Georges Bizet

花の歌(歌劇「カルメン」より) La fleur que tu m’avais jetée (Opéra “Carmen”)

数多あるオペラのなかでも屈指の名作「カルメン」。衛兵の伍長ドン・ホセは、タバコ工場で働く奔放なジプシー女カルメンの虜となり、婚約者を捨て、軍隊を脱走する。しかし、カルメンは闘牛士エスカミーリョに心を移す。激しい嫉妬に囚われたドン・ホセは、ついにカルメンを刺し殺す。
「花の歌」はドン・ホセがカルメンへの切実な恋心を歌うアリア。

サン=サーンス(1835-1921) Camille Saint-Saëns

フランスの作曲家。オルガニスト・ピアニストとしても活躍。ほかに数学者・画家・詩人など、あらゆる才能をもった天才であった。
1871年、フランス音楽普及のため、フランク、フォーレらとともにフランス国民音楽協会を設立した。交響曲第3番「オルガン付き」、組曲「動物の謝肉祭」、交響詩「死の舞踏」、「序奏とロンド・カプリチオーソ」、「ハバネラ」、歌劇「サムソンとデリラ」などが有名。

アヴェ・マリア Ave Maria

原曲は独唱とオルガンのためのもの。

白鳥(組曲「動物の謝肉祭」より) Le cygne(“Le carnaval des animaux”)

全14曲からなる組曲「動物の謝肉祭」のなかの1曲。原曲は独奏チェロのためのもの。バレエ「瀕死の白鳥」はミハイル・フォーキンがこの曲に振り付けをした。

休憩(20分)

グリンカ(1804-1857) / 編曲:ジュリアン・ユー(1957-) Mikhail Ivanovich Glinka / Julian Yu

ナイチンゲール(A.アリャビエフのロマンスによる変奏曲、 オーボエとピアノのための) Nightingale

グリンカは、最初に国外で名声を勝ち得たロシアの作曲家。
近代ロシア音楽の父と呼ばれる。歌劇「ルスランとリュドミラ」(原作はロシア最大の詩人プーシキン)はとくに有名。
ジュリアン・ユーは、中国の現代音楽作曲家。池辺晋一郎・湯浅譲二などに師事した。
「ナイチンゲール」は、ロシアの作曲家アレクサンドル・アリャビエフ(1787-1851)が作曲した歌曲の旋律をもとに、グリンカが変奏曲を作曲。
これをさらにジュリアン・ユーが編曲したもの。

ドビュッシー(1862-1918) Claude Achille Debussy

月の光(「ベルガマスク組曲」より) Clair de Lune (“Suite Bergamasque”)
(ピアノ・ソロ:石田三和子)

フランスの作曲家。長音階・短音階以外の旋法の使用、機能和声にとらわれない自由な和声法などにより、古典派・ロマン派音楽から20世紀の音楽への橋渡しを行った、音楽史上特筆すべき重要な作曲家。
代表作品は、「牧神の午後への前奏曲」、交響詩「海」、歌劇「ペレアスとメリザンド」、ヴァイオリン・ソナタ、弦楽四重奏曲、「前奏曲集」第1巻・第2巻など。

シューマン(1810-1856) Robert Schumann

アダージョとアレグロ 作品70 Adagio und Allegro, op.70

シューマンの室内楽作品のなかでも傑作の一つ。作曲は1849年。
原曲はホルンとピアノのためのものであるが、現在ではオーボエでも定番の演目となっている。
夢幻的ななかにも、オーボエとピアノが音楽的な主導権を奪い合いながら、濃密な対話を重ねていく充実の作品。

プロフィール

池田昭子
オーボエ

1997年、東京藝術大学卒業。卒業時に皇居内桃華楽堂にて御前演奏を行う。広田智之、小島葉子、宮本文昭、フランソワ・ルルーの各氏に師事。第4回津山国際総合音楽祭ダブルリードコンクール第1位。第13回日本管打楽器コンクールオーボエ部門第1位。1997年から2002年まで東京交響楽団に在籍。2000年、文化庁在外研修員としてリヒャルト・シュトラウス音楽院(ミュンヘン)に留学。2004年、NHK交響楽団に入団。
ソロ・アルバム「カプリッチォ」(2008年)、同「アヴェ・マリア」(2009年)およびトリオ・サンクァンシュで「田園のコンセール」(2009年)をリリース。
現在、NHK交響楽団オーボエ奏者、「トリオ・サンクァンシュ」メンバー、東京藝術大学非常勤講師。

石田三和子
ピアノ

東京都出身。幼少の頃よりピアノ・作曲を学び、国内外で演奏活動を行う。ロストロポーヴィッチ指揮、ワシントン・ナショナル交響楽団をはじめ、多くのオーケストラや奏者と共演。国立音楽大学卒業、東京藝術大学別科修了。欧州の国際音楽アカデミーにおいても研鑽を積む。第3回多摩フレッシュ音楽コンクールピアノ部門入選。N響・都響・フィラデルフィア管など国内外のオーケストラ団員との共演も多く、アンサンブルピアニストとして活躍。辛島輝治、上田晴子、三木香代、E・アンドレアスの各氏に師事。