コンサート

石田泰尚 ヴァイオリン・リサイタル


Program

ドヴォルザーク(1841-1904) Antonin Dvorák

チェコ国民楽派を代表する作曲家。
代表作品は、交響曲第8番、交響曲第9番「新世界より」(第2楽章のイングリッシュ・ホルンで奏される旋律が「家路」として親しまれている)、チェロ協奏曲ロ短調、弦楽四重奏曲第12番「アメリカ」など。

4つのロマンティックな小品 作品75 4 Romantické kusy, op.75

第1曲 カヴァティーナ:アレグロ・モデラート Allegro moderato
第2曲 奇想曲:アレグロ・マエストーソ Allegro maestoso
第3曲 ロマンス:アレグロ・アパッシォナート Allegro appassionato
第4曲 悲歌:ラルゲット Larghetto

4曲からなるヴァイオリンとピアノのための作品。
ドヴォルザーク自身が自作の弦楽三重奏のための「ミニアチュール」から編曲したもの。

ソナチネ ト長調 作品100 Houslový sanáta, op.100

第1楽章 アレグロ・リソルート Allegro risoluto
第2楽章 ラルゲット Larghetto
第3楽章 スケルツォ:モルト・ヴィヴァーチェ Scherzo : Molto vivace
第4楽章 アレグロ Allegro

ドヴォルザークがアメリカに渡った翌年、当時15歳の娘と10歳の息子のために練習用としてプレゼントした作品。

シャミナード(1857-1944) Cécile Louise Stéphanie Chaminade

スペインのセレナード 作品150 Sérénade espagnole, op.150

シャミナードは、フランスの作曲家・ピアニスト。作曲と演奏活動によって経済的に自立した最初の女性作曲家。ピアノ曲「スカーフの踊り」は世界的にヒットし、1910年、イギリスの香水会社がシャミナードのプロフィールをつけた石鹸を発売した。「スペインのセレナード」は、原曲はピアノ曲。クライスラーがヴァイオリンとピアノのための作品に編曲した。

グラナドス(1867-1916) Enrique Granadosy Campiña

「12のスペイン舞曲」 作品37:第5番「アンダルーサ」
Danzas Espanolas, op.37 : No.5 Andaluza

グラナドスは、ファリャに連なる近代スペイン音楽の開拓者。アメリカからの帰途、英仏海峡で客船がドイツ海軍の潜水艦に魚雷攻撃され沈没、そのまま行方不明となった。
「12のスペイン舞曲」は元来はピアノのための作品。

ファリャ(1876-1946) Manuel de Falla

スペイン舞曲第1番(歌劇「はかなき人生」から)
Danza Española No.1 (“La vida breve”)

スペインの作曲家。1939年、フランコ政権を嫌い、アルゼンチンに移住。コルドバで死去した。代表作品は、歌劇「はかなき人生」、バレエ音楽「三角帽子」、同「恋は魔術師」(「火祭りの踊り」は単独でも演奏される)、ピアノと管弦楽のための交響的印象「スペインの庭の夜」など。
歌劇「はかなき人生」は、ジプシーの貧しい娘サルーと恋人パコとの身分違いによる恋愛の悲劇を描く。

休憩(20分)

フォーレ(1845-1924) Gabriel Fauré

シシリエンヌ 作品78 Sicilienne, op.78

フランスの作曲家。「レクイエム」のほか、多くの歌曲・室内楽作品で親しまれている。
この作品は、本来はチェロとピアノのためのもので、作曲は1893年。後に、劇音楽「ペレアスとメリザンド」(1901年)に転用されている。

ドビュッシー(1862-1918) Claude Achille Debussy

小舟にて(「小組曲」より) En Bateau (“Petite suite”)

フランスの作曲家。代表作品は、「牧神の午後への前奏曲」、交響詩「海」、歌劇「ペレアスとメリザンド」、ヴァイオリン・ソナタ、弦楽四重奏曲、「前奏曲集」第1巻・第2巻など。
「小舟にて」は、4曲からなる「小組曲」の第1曲。本来はピアノ4手連弾のための作品。アンリ・ビュッセルによる管弦楽編曲版で有名。

サン=サーンス(1835-1921) Camille Saint-Saëns

交響詩「死の舞踏」 作品40 “Danse Macabre”, op.40

フランスの作曲家。交響曲第3番「オルガン付き」、組曲「動物の謝肉祭」、「序奏とロンド・カプリチオーソ」、「ハバネラ」、歌劇「サムソンとデリラ」などが有名。
「死の舞踏」は、フランスの詩人アンリ・カザリスの詩「死の舞踏」をもとに、はじめ歌曲として作曲され、後にソロ・ヴァイオリンが活躍する管弦楽曲(交響詩)としてまとめられた。
曲の冒頭に、夜中の12時、墓場に死に神が現われ、ヴァイオリンを弾く場面がある。

ブラームス(1833-1897) Johannes Brahms

ヴァイオリン・ソナタ第3番 ニ短調 作品108
Sonate für Violine und Klavier Nr.3 d-Moll op.108

第1楽章 アレグロ Allegro
第2楽章 アダージョ Adagio
第3楽章 ウン・ポコ・プレスト・エ・コン・センティメント Un poco presto e con sentimento
第4楽章 プレスト・アジタート Presto agitato

ブラームス、50歳代半ばの作品。ロマンティシズムと情熱にあふれた名曲。深い諦観と渋い叙情性をだし、対位法と複リズムが相俟って重厚な音楽となっている。

Profile

石田泰尚

石田泰尚(ヴァイオリン) Yasunao Ishida, violin
1995年、国立音楽大学を主席で卒業。1998年、新星日本交響楽団コンサートマスター就任。2001年、神奈川フィルハーモニー管弦楽団ソロ・コンサートマスターに就任(現職)。ソリストとしては、「情熱のヴァイオリン」「Dolce Violin~優美なるヴァイオリン」をリリース。協奏曲では、ラロ、ブルッフ、メンデルスゾーン、ブラームス(二重協奏曲)、サン=サーンス、モーツァルト(協奏交響曲)、バッハ、ヴィヴァルディ(四季)等でソリストを務める。室内楽では、YAMATO弦楽四重奏団のメンバーとして、2000年、山田耕筰の弦楽四重奏曲を世界初録音リリース。2005年、ピアノ及川浩治、チェロ石川祐支とBee(ビー)を結成。東京オペラシティでのB→C:バッハからコンテンポラリーに出演(2006年)。さらに、ピアソラ作品を演奏するトリオ・リベルタを結成(2000年)。国内最大のジャズイベント「横浜JAZZプロムナード」に2003年より毎年出演。その音楽性は、「繊細で優美な音楽をさらにきめ細やかに表して、浄化された深い詩情が香り立つ魅惑的な演奏」(「音楽の友」誌)と絶賛され、現在、最も注目される若手音楽家の一人。
http://www.kanaphil.com/intro/prf_ishida_yasunao.html

中島剛

中島剛(ピアノ) Go Nakajima, piano
東邦音楽大学を首席で卒業。1996年からハンガリー国立リスト音楽院に学ぶ。1998年、Prof. Dr. Josef Dichlerコンクールで優勝。2002年6月より、「イタリア巡礼の年」と題し、オール・リスト・プログラムによるリストゆかりの地を巡るヨーロッパ・ツアーを展開。2005年、CHANEL Pygmalion DaysにてNr.5の一人として1年間演奏。2006年、第1回坂本龍一プロデュース「ロハスクラシック・コンサート2006」に参加。2008年、「SUMMER SKETCH」でCDデビュー。これまでに、ヴァイオリンのライナー・キュッヘル、トーマス・ヴィンクラット、石田秦尚、歌手のジョン・健・ヌッツォ、唐澤まゆ子などと共演。今後の活躍が期待される注目のピアニスト。これまでに、富山紀美子、外山準、宮嶋敏、森由美子、カルマン・ドラフィー、イシュトバン・ランシュ、ヴィクトール・トイフェルマイヤーの各氏に師事。
http://www.go-nakajima.com


篠田桃紅芸術月間2010

岐阜現代美術館および関市立篠田桃紅美術空間は「篠田桃紅芸術月間2010 水鏡」と題して、展覧会、コンサート、作品鑑賞会、ワークショップなどの関連イベントを共同開催しています。
期間:2010年1月6日~3月28日